REPORT

2024/8/25【 SUMMER TRAINING GAME 】vs明治大学 マッチレポート

ラグビー部

【 SUMMER TRAINING GAME 】 対明治大学戦

8月25日(日)・アンダーアーマー菅平サニアパークメイン
○帝京大学31-28明治大学●

《BRIEF REVIEW》

菅平での夏合宿、Aチームとしての最後の試合は、春季交流大会で引き分けている明治大学との一戦。結果も大事だが、まずは自分たちがここまでやってきたことを出し切れるか、そしてなにより気持ちの部分で上回れるかに注目したい。

試合開始前は雨で緩くなったグラウンドに日が差し込み始める。下から湿気が立ち上り、蒸し暑さが選手たちを襲う。ただ、晴れ間があったかと思うとすぐに厚い雲が空を覆うなど、非常に不安定な天候の中でのキックオフとなった。

キックオフから相手のキックをSH上村がチャージするが、そのボールが相手に入って、抜け出される。FB神田(陸)のタックルで止めるが、自陣深くまで攻め込まれる。ただ、ここはSO本橋(尭)のロングキックでピンチを脱する。

その後は一進一退。帝京はSO本橋(尭)のキックチャージでトライチャンスとなるが、惜しくもボール確保ならずにノックオン。その後もチャンスを得るが、ボールが滑るのか、ノックオンが増える。

それでも先制したのは帝京。12分、敵陣22mライン外側からのマイボール・スクラム。SH上村からWTB生田-SO本橋(尭)-CTB佐藤(楓)と渡り、佐藤が抜け出す。さらにWTB森へとパスが渡り、森が走り切ってトライ(5-0)。

20分には相手ボールのラインアウトを奪って展開。FB神田が前進し、グラウンダーのキック。これをCTB上田が拾って前進し、SH上村にパス。上村が走り切ってトライを奪う(12-0)。

幸先よく2トライを奪った帝京。このまま波に乗るかと思われたが、ここからまた一進一退の攻防となる。ペナルティからの相手の攻撃を一度は防ぎ、インゴールでパイルアップとするが、28分、インゴール・ドロップアウトからつながれ、トライを奪われてしまう(12-7)。

しかし、気持ちの部分が切れることはなかった。35分、今度は帝京が攻める。相手ボールのスクラムを押し込んでペナルティを得て、ラインアウトからモールを押し込む。WTB森もモールに参加し、押し切って、HO當眞がトライ(19-7)。

前半終了間際には、帝京がノックオンでピンチとなり、さらにノット・ロールアウェイのペナルティが重なる。41分、ラインアウトから持ち出され、つながれてトライを奪われる。19-14で前半を折り返した。

後半開始早々は守りの時間帯となる。相手の連続攻撃に対して、一人一人がしっかりとタックルして守る。さらに、相手ボールのスクラムを押し込み、ペナルティを得る。続けて、ハーフウェイ付近でのマイボール・スクラムでもペナルティを得る。

12分、ラインアウトから展開。ラックからSH上村-No.8倉橋-CTB上田と渡り、上田が前進。そのまま走り切ってトライ(24-14)。その後も、相手ボールのスクラムを押し込み、FB神田のキックでチャンスになるが、惜しくもインゴール・ドロップアウトとなる。

その後は、帝京の反則からピンチとなる。21分、ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる(24-21)。だが、この直後の24分、帝京のキックオフからのボールをFL福田(大)がうまく拾って前進。WTB森にパスし、森がそのまま走り切ってノーホイッスルトライを奪う(31-21)。

このあと、大粒の激しい雨が降り出し、非常に難しいコンディションになっていく。守りの時間帯になっても、SH上村らのタックルで防ぎ、WTB生田のジャッカルでボールを奪う。

しかし、33分、ラインアウトからつながれ、トライを許してしまう(31-28)。終始押し気味に試合を進めてきた帝京だが、得点差は3点。激しい雨が降り続く中、最後の力を振り絞って攻めてくる相手に対して難しい戦いが続く。

それでも帝京は前に出るディフェンスでプレッシャーをかけ続ける。さらにスクラムでもプレッシャーをかけ、ペナルティを得る。最後まで攻め続ける帝京。ただ、大雨の中、ミスも出る。

相手がつないで前進してくる中、WTB山本がジャッカル。最後まで気持ちを前面に出し続けた帝京が、3点差を守り切ってノーサイド。31-28で、帝京がAチームとしての夏合宿最終戦に勝利した。

《COLUMN》

―― 苦い経験を忘れず、成長の糧にする ――

夏合宿でのAチームとしての3試合が終了し、9月7日からは早くも対抗戦が始まります。

相馬監督や青木キャプテン、また各選手たちのコメントにもあるように、夏合宿の第一戦で早稲田大学に敗れたことで、チーム全員がもう一度、自分たちを見つめ直し、足りない部分、改善すべき部分を洗い出すことができたようです。

敗戦という苦い薬がチームの成長の起爆剤となったとすれば、その苦さを忘れないようにすることも大切かもしれません。

徳川家康は、三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れ、命からがら浜松城に逃げ帰った際、この敗戦を忘れないようにとすぐに絵師を呼んで、憔悴し切った自身の肖像画を描かせ、慢心を戒めるために常にその絵を近くに置き、事あるごとに見返していたと言われます。

そして徳川家康はのちに天下を取り、260年余りにわたる太平の世を築きました。

今年の帝京は、夏合宿での敗戦を三方ヶ原の戦いにできるでしょうか。すべては今後の成長次第ですが、今回の苦い経験が大きな成長のきっかけを作ってくれたことは間違いありません。

(文/木村俊太)

Prev
Next

Recent Article

最新記事

Archives ニュース一覧