2024/9/7【 関東大学対抗戦A 】vs日本体育大学 マッチレポート
関東大学対抗戦A 対日本体育大学戦
9月7日(土)・秋葉台公園球技場
○帝京大学67-7日本体育大学●
《BRIEF REVIEW》
今シーズンの対抗戦が始まった。第1戦の相手は、昨年度、入れ替え戦を勝ち、Bから上がってきた日本体育大学。
帝京はメンバーに1年生が5人。さらには対抗戦初出場となる選手が多く、対抗戦経験者は数人という布陣で臨んだ。気温は35度前後で、非常に過酷なコンディションでの試合となった。また、選手の乗ったバスが大渋滞に巻き込まれ、会場への到着が遅れ、試合前の準備も慌ただしく行わざるを得ないなど、予期せぬアクシデントとも向き合うこととなった。
試合は開始早々から、帝京が攻め込む。キックカウンターからつなぎ、FB神田(陸)のキックで敵陣ゴール前へ。ラインアウトでペナルティを得ると、再びラインアウト。5分、モールを押し切り、HO知念がトライ(7-0)。
11分にはPGを決められるが(7-3)、スクラムや接点で優位に立つ帝京が敵陣深く攻め込んでいく。15分、ラインアウトからモールを形成。モールは崩れるが、継続して前進。ラックからSH上村-CTB上田と渡り、上田が抜け出してトライ(12-3)。
その後、ペナルティやミスもあり、やや停滞する時間帯となる。チャンスの場面もあるが、ミスで取り切れない。
動いたのは29分。FB神田(陸)のキックがチャージされるが、うまく拾ってつなぐ。WTB生田がラインブレイク。さらに、SH上村、SO福田(正)らが前進し、ラックからSH上村-CTB上田-FB神田(陸)と渡り、神田がトライ(17-3)。
34分には、スクラムから連続攻撃。CTB佐藤(楓)、FL青木が前進。ラックから、SH上村-LO本橋(拓)と渡り、本橋がディフェンスをはじいてトライ(24-3)。その後、FL福田(大)のジャッカルなどもあり、さらに帝京が攻め込む。PR清水(栞)の前進、CTB佐藤(楓)のキックでゴール前へと攻め込む。
40分、スクラムでフリーキックを得ると、No.8ダウナカマカマがクイック・リスタート。そのままインゴールに飛び込んでトライ。31-3で前半を折り返した。
後半も開始早々から帝京が攻め込む展開。3分、ペナルティでのクイック・タップから連続攻撃。ラックから、SH上村-PR森山と渡り、森山がトライ(36-3)。7分にはラインアウトから連続攻撃。PR森山が前進、SH上村-No.8ダウナカマカマ-WTB生田と渡り、生田が走り切ってトライ(41-3)。
その後、ミスもあり、攻められる場面もあるが、WTB生田の前進、SH上村のキックなどで攻め返す。ミスも出るが、FB神田(陸)の50:22などもあり、チャンスを作る。17分、ラインアウトからモールを押し込み、HO知念がトライ(46-3)。
ここから、帝京がうまく攻める場面が何度もあるが、詰めのところでミスが起こるなど、得点にまでは至らない時間帯となる。動くのは27分、スクラムから連続攻撃。FWで前進し、ラックから、SH赤迫-SO福田(正)-FB神田(陸)-WTB森と渡り、森がディフェンスにつかまりながらも粘ってトライ(53-3)。
32分にドロップゴールを決められるが(53-6)、帝京は攻撃の手を緩めない。ただ、ミスも出て、得点にまではなかなか至らない。
41分、スクラムからの攻撃。SH赤迫-CTB上田と渡り、上田がそのまま走り切ってトライ(60-6)。さらに、返しのキックオフから帝京が連続攻撃。SH赤迫のハイパントを、WTB生田がキャッチしてさらにつなぐ。CTBワットニが前進。44分、ラックから、SH赤迫-No.8福井-SO福田(正)-CTB上田-FB神田(丈)-FL青木-WTB生田と渡り、生田が走り切ってトライ(67-6)。
その後、WTB生田が相手からボールをもぎ取り、チャンスを作るが、パスがつながらず、ここでノーサイド。帝京が67-6で対抗戦の初戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― 対抗戦デビューという貴重な経験値 ――
今シーズンの対抗戦が始まりました。
この日の試合、帝京は5人の1年生はもちろん、対抗戦初出場の選手が非常に多いメンバー構成となりました。そもそも昨シーズンのメンバーに4年生が多かったため、今シーズンはどうしても経験値の浅いメンバーが多くなるのはわかっていたことでしたが、それでもここまで対抗戦初出場が多いのは珍しいのではないでしょうか。
ケガ人が多いというのはネガティブなことではありますが、一方で今日、対抗戦デビューを果たした学生たちは、次からは「初」ではありませんから、少なくとも気持ちの上では今日よりも落ち着いて試合に臨めるはずです。
試合に関しては、猛暑の中、果敢に挑んでくる相手に対してトライを許さず67-6で勝利。ただ試合の内容に関して、学生たち自身は「帝京のスタンダードはこんなものではない」という思いが強かったようで、口々に反省の弁を述べていました。これは非常に頼もしく、今後の成長のへの原動力となるはずです。
勝利という結果に加え、勝って反省できること、さらには多くの学生が貴重な経験値を得たこと。これらによって学生たちは、少しずつながら着実に成長していってくれるはずです。春シーズンの時にも書きましたが、彼らの成長を長い目で見守っていきたいと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)