2024/10/20【 関東大学対抗戦A 】vs慶應義塾大学 マッチレポート
関東大学対抗戦A 対慶應義塾大学戦
10月20日(日)・太田市運動公園陸上競技場
○帝京大学57-19慶応義塾大学●
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第4戦は慶應義塾大学との一戦。会場の太田市運動公園陸上競技場は終始強い風が吹き、時折、風向きが変わる中での戦いとなった。
開始直後、キックで攻め込まれるシーンでFL青木が珍しくキックを蹴る。これがノータッチとなってさらに攻められるが、WTB生田のジャッカルで防ぐ。相手の厳しいディフェンスもあり、ペナルティから攻められるが、帝京も激しいディフェンスで守る。
試合が動いたのは9分。ラインアウトから、HO當眞が持ち出してつなぐ。ラックからSH李-FL青木と渡り、青木がディフェンスを2人はじいて先制トライを奪う(7-0)。
その後、ペナルティからピンチになるが、LO本橋(拓)らの好タックルで相手のノックオンを誘う。
18分にはペナルティから、SO大町がクイックリスタート。相手の厳しいディフェンスにも耐えながら、つないで前進。ラックから、SH李-SO大町とつなぎ、大町が相手をはじきながら前進しトライ(12-0)。
ここから帝京にペナルティが多くなる。23分、ラインアウトからつながれてトライを奪われてしまう(12―5)。
しかし、ここで帝京は一人一人がしっかりと体を当てて前に出ることを再確認する。29分には、FL青木が自らこれを体現。スクラムから展開され、CTB久木野、LO本橋(拓)が前進。ラックから、SH李-FL青木と渡り、青木が前に出てそのままトライ(19-5)。
帝京の攻撃は続く。34分、ラインアウトからモールを押し込み、HO當眞が持ち出してトライ(26-5)。40分にもラインアウトからモールを押し込む。ここはモールを押し切って、HO當眞がトライ(33-5)。
このあと、攻められる展開となるが、ラックでターンオーバーして防ぎ、33-5で前半を折り返した。
後半開始早々の時間帯は、ペナルティで攻め込まれる展開となる。CTB久木野の好タックルでターンオーバーするも、相手の素早い出足もあり、キックチャージされて、ボールが相手に渡ってしまう。それでも、SH李の好タックルでまたもターンオーバーし、防ぐ。
5分、キックカウンターからつなぐ。PR森山が大きく前進。ラックから、SH李-SO大町-WTB生田とつないで、生田が抜け出してトライを奪う(38-5)。
その後も帝京のペースで試合は進むが、相手の出足の鋭さも衰えず、ラックでターンオーバーされ、キックで攻め込まれる。19分、ラインアウトからモールを押され、トライを奪われてしまう(38-12)。
さらに攻められるシーンもあるが、LO森元のジャッカルやモールでのPR森山のうまい働きかけによるターンオーバーなどでしっかりと防ぐ。
28分、ラインアウトからLO森元が大きく前進してチャンスメイク。つないで、ラックから、SH上村-FL青木と渡り、青木が抜け出してトライ(45-12)。その後、34分にラインアウト・モールから展開されてトライを奪われるが(45-19)、帝京もしっかりと反撃。
39分、ラインアウトからモールを押し込み、HO當眞が持ち出す。つかまるが、ラックから、SH上村-PR平井と渡り、平井が抜け出してトライ(52-19)。
42分、ラインアウトから展開。LO森元、FL青木、LO本橋(拓)が前進。ラックから、SH上村が持ち出してそのままトライ(57-19)。
終了間際、ミスからピンチになるが、No.8ダウナカマカマのジャッカルなどで守り切ってノーサイド。帝京が57-19で勝利し、対抗戦4連勝を飾った。
《COLUMN》
―― うまくいかない時ほどシンプルに ――
帝京は慶應義塾大学との試合に勝利し、対抗戦4連勝としました。
この日、帝京は、相手の伝統の厳しいタックルに苦しめました。そこから帝京がペナルティを犯し、ラインアウト・モールから失点するというシーンもありました。
そんな中、帝京は、青木恵斗キャプテンが「うまくいかない時ほどシンプルにプレーするのがベスト」「まずはシンプルによくない流れを断ち切りたいと思い」「強いコンタクトを意識して前に出た」とコメントしているように、相手の激しいコンタクトに対して、真っ向勝負で当たっていきました。
相手の激しさを嫌がらずに、そこに対してあえてこちらからもぶつかっていく。力と力、そしてプライドとプライドのぶつかり合い。これぞラグビーの魅力です。そんな魅力が存分に見られた好ゲームだったと思います。
そしてそのぶつかり合いに勝った帝京が、試合も制したという内容でした。
対抗戦、そして「厳しいぶつかり合いは望むところ」というチームとの戦いはまだまだ続きます。
私たちファンも、学生たちの「シンプルなぶつかり合い」を手に汗握りながら応援していきましょう。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)