2024/4/28【 第13回関東大学春季交流大会A 】vs法政大学 マッチレポート
第13回関東大学春季交流大会A 対法政大学戦
4月28日(日)・百草グラウンド
○帝京大学61-7法政大学●
《BRIEF REVIEW》
2024年度の春季交流大会が始まった。昨年度の4年生たちが卒業し、新たな布陣で臨む新生帝京。初戦は、昨年度リーグ戦グループ3位の伝統校・法政大学との一戦だ。
立ち上がりは一進一退ながら、帝京が徐々にペースをつかむ。5分、ラインアウトからモールで押し込み、HO螻川内がトライ(7-0)。11分にもラインアウトからモールで押し込んで、PR平井がトライ(14-0)。
幸先のいいスタートを切ったかに見えた帝京だが、16分、キャプテンの青木がオフサイドの位置からのインテンショナル・ノックオンの判定でシンビンを受けてしまう。
苦しい状況となるが、CTB久木野の好タックルなどでピンチを防ぐ。チャンスを作る場面もあるが、スローフォワードなどミスが出て、得点にまでは至らない。
22分、ラックでターンオーバーされ、つながれ、トライを許してしまう(14-7)。一人少ないスクラムを押されるケースもあったが、青木が戻ってからはおおむね安定させることができた。
32分、ラインアウトから連続攻撃。ラックでのこぼれ球をNo.8ダウナカマカマが拾って、大きく前進。さらに、HO知念が前進し、ラックからPR松原が持ち出し、そのままトライ(21-7)。
前半終了間際の41分には、ラインアウトからBKへ展開。SH李がラックから仕掛けて前進。つかまるも、走り込んだPR平井にパスし、平井が走り切ってトライ。28-7で前半を折り返した。
後半はスタートからほぼ帝京のペースで試合が進む。2分、PR松原の前身でチャンスを作り、LOに回ったダウナカマカマがインゴールにボールを置いたかに見えたが、惜しくもノックオンの判定。
このあたりからスクラムが増えるが、帝京はおおむねスクラムを安定させていく。FL福田(大)の突破などでチャンスを作るが、なかなか得点にまでは至らない。
後半最初の得点は17分。キックカウンターから連続攻撃。ラックからSH李、FB吉田、SO本橋(尭)で前進。ラックサイドに走り込んだPR平井にSH李がパス。平井が走り切ってトライ(35-7)。
25分には、相手ボールのラインアウトをスチール。HO知念-SO本橋(尭)-CTB上田と渡り、上田が抜け出し、大きく前進。最後はWTBクッツェにパスし、クッツェが走り切ってトライ(40-7)。
32分、相手ボールのスクラムを押し込んでターンオーバー。CTBワットニ、SO本橋(尭)が前進。ラックサイドに走り込んだPR松原に、SH上村がパス。松原が抜け出し、つかまりながらも体を伸ばしてトライ(47-7)。
37分には、自陣ゴール前でのスクラムから展開。CTB上田が抜け出し、大きく前進。上田からCTBワットニ-FB神田-CTBワットニ-SH上村-WTB日隈-CTB上田と渡り、上田が走り切ってトライ(54-7)。
40分、ゴール前でのラインアウト。ペナルティのアドバンテージをもらいながらモールを押し込むも、惜しくもグラウンディングできず。ここで得たペナルティでスクラムを選択。41分、スクラムを押し込んで、No.8グアイニが押さえてスクラムトライ。
FB神田がゴールを決めたところでノーサイド。61-7で帝京が春季大会初戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― 新チーム初戦の難しさ ――
今シーズンの春季交流大会が始まりました。帝京は61-7というスコアで勝利しましたが、前半30分過ぎまでは14-7。ハーフタイムまでの約10分間で2トライ2ゴールを奪い、28-7で前半を折り返しました。
後半は相手に得点を与えず、帝京は5トライを奪って大勝しましたが、相馬朋和監督も青木恵斗キャプテンも、試合後のコメントでは反省の弁を多く述べる形になりました。
その主旨も共通していて、「チームとして戦うのではなく、個人で何とかしようとしすぎていた」というものです。しかも、みな「練習の時はすごくよかった」そうです。相馬監督の見立ては、「練習で体の動きがよかったがゆえに、自分でなんとかしようとしてしまったのではないか」というものでした。
また、相馬監督は「U20やJAPAN XVの代表から帰った学生の動きがよかったので積極的に選びましたが、それは同時に『チームとしての練習をあまりしていない』学生たちでしたから、(チームとして戦えなかったという)この結果は必然ですよね」という反省を語りました。
さらには、昨年度のチームに4年生が多かったことで、新チームのメンバーにはAチームでの経験が浅い人が多いということもあります。試合後、相馬監督を囲んだ記者さんたちにも「去年の帝京はもうありません。今年は全然違うチームです」と語っていました。
ただ、まだ春シーズンの初戦です。経験値の低さはむしろ「伸びしろ」と考えていいでしょう。今シーズンのメンバーたちが、ここからどこまで成長していけるか。チーム力をどこまで上げていけるか。しっかりと見守っていきたいと思います。
(文/木村俊太・写真/高須力)