Report

第5回「事業環境の変化」実施レポート

2025年12月17日

開催日:2025年12月6日(土)
会場:ライトキューブ宇都宮 大会議室202

■概要

 12月6日(土)、ライトキューブ宇都宮で「人財採用力・定着力アップ 学びあいプラットフォームとちぎ」第5回目の講義が開催されました。今回のテーマは「事業環境の変化」。急速に変わる経済・社会情勢の中で、企業や地域がどのように人材育成を行い、持続的に成長していくかについて、多角的な視点から学ぶ一日となりました。

【講義1】「ビジネス環境の将来展望と人材育成」 
 セラニーズ㈱ 田中 雅明 氏

 田中氏からは、急速に変化する事業環境の中で企業がどのように価値を創り、グローバルに事業を展開していくかについて説明がありました。デュポン社の事例を交えながら、技術革新が企業活動に及ぼす影響や、世界規模でのオペレーションの重要性が示されました。
講義の中で特に強調されたのが「バリュープロポジション(提供価値)」の考え方です。田中氏は、「顧客要望を満たすだけでなく、顧客がまだ気づいていない新たな価値を提案することが本質」と述べ、成熟市場における企業の競争力の源泉を示しました。
 また、グローバルオペレーションで活躍する人材には、「コミュニケーションスキルダイバーシティの理解自律性高い専門性」が求められると紹介。多様な文化・価値観が交わる環境で成果を出すための視点が示されました。
 最後には、こうした能力を備えた人材の育成が、地域の製造業や産業の成長にも直結することが語られ、参加者にとって自身のキャリアや組織の人材戦略を見つめ直すきっかけとなる講義となりました。

【講義2】「栃木県次期産業プランと人材育成」
 栃木県産業労働観光部長 鱒渕 繁義 氏

 鱒渕氏は、「事業環境の変化」を行政の立場から捉え、栃木県の産業政策と人材育成の方向性について説明がありました。人口減少や女性の転出増など、県が抱える構造的課題を踏まえつつ、企業が持続的に成長できる環境づくりの必要性が語られました。
 講義では県が進める各種計画の概要が紹介され、続いて次期産業プランの考え方が示されました。特に、デジタル化・技術革新への対応、産業の高度化、新しい価値創造に向けた支援策が重点的に説明されました。
 また鱒渕氏は、県として人材育成を「一丁目一番地」の最重要事業として位置づけていることを強調。企業の採用難・若年層の県外流出といった課題に対し、「リカレント教育・学び直し支援、産学官連携によるスキル獲得機会の創出、働きやすい環境整備を促す施策」など、県が推進する主な取り組みが紹介されました。
 行政による支援と、事業者の努力が両輪となって地域産業を支えていく重要性が示され、参加者にとって、自社の課題を地域全体の構造の中で考える貴重な機会となる講義でした。

【グループワーク】「大目的・中目的・小目的のアーキテクチャ」
帝京大学地域経済学科 島 裕 教授

 後半のグループワークでは、参加者がチームに分かれ、未来の事業環境を考えるワークに取り組みました。最初にゴールデンサークル理論の動画を視聴し、「Why(目的)」から考える姿勢を共有したうえでワークがスタートしました。
 島教授から提示された問いは、いずれも企業の中長期戦略を考える上で本質的なものです。

  • 今後10年で経営に重大な影響を与える変化は何か
  • シナリオ分析の“2軸”となる要因は何か
  • 10〜20年後、社会のニーズや顧客の「want」はどう変わるのか
  • 顧客層は今と同じか、それとも変わるのか
  • テーマオーナー企業が自社のコアコンピタンスをさらに発揮するには?

 これらの問いをもとに、各チームは「社会が抱える課題」→「主観的共感(実現したい社会像)」→「顧客の本質的欲求」→「目指したい状態」という順序でアイデアを整理。  
 最後に、それをテーマオーナー企業の条件に当てはめながら、将来の事業シナリオを描く作業を行いました。
 ワークの中では、すぐに答えが出ず議論が止まる場面も多くありましたが、その“もやもや”こそが目的を深く考える貴重なプロセスとなり、参加者同士が問いを共有しながら視野を広げる時間となりました。
 各チームが導き出した仮説は多様で、未来の社会像や顧客の変化に対する考察が活発に交わされ、世代や業種を越えた学びの場となりました。

■まとめ

 今回の授業では、「事業環境の変化」という大きなテーマを、グローバル企業の視点・行政の視点・参加者自身の視点の三段階で学ぶ構成となりました。
 田中氏の講義では、技術革新が進む中で企業がどのように価値を創造し、グローバルに活躍する人材を育てていくかが示され、参加者は「顧客への価値の提案」という視点の重要性を再確認しました。
 続く鱒渕氏の講義では、栃木県が抱える人口構造や産業上の課題を踏まえ、行政として人材育成を最優先事項として位置づけている現状が共有され、地域産業を支えるための多様な支援策が紹介されました。
 後半のグループワークでは、未来の事業環境や顧客の変化を考える中で、簡単には答えが出ない問いに向き合いながら、チーム内での対話を通して「目的を深く考える姿勢」が育まれました。議論の中で生まれた良い意味での「もやもや」は、各自が自社・自身の未来を見つめ直す貴重なきっかけとなりました。
 今回の講義を通じて、参加者は「事業環境の変化に主体的に向き合うための視点」を多角的に得ることができ、次回のテーマ「技術環境の変化」への学びにもつながる有意義な時間となりました。

🕓 次回開催:2025年12月27日(土) ライトキューブ宇都宮
📍 テーマ:技術環境の変化

■ お問合せ

帝京大学宇都宮キャンパスリカレント教育プログラム 
コーディネーター 小川紗理奈
Email: ogawa.sarina.cz@teikyo-u.ac.jp
Tel: 090-7907-9630


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