開催日:2025年12月27日(土)
会場:ライトキューブ宇都宮 大会議室202
■概要
12月27日(土)、ライトキューブ宇都宮にて、帝京大学宇都宮キャンパス リカレント教育プログラム第6回講義が開催されました。
今回のテーマは「技術環境の変化」です。デジタル技術の進展や社会構造の変化が、産業や地域、そして個人の働き方や学び方にどのような影響を与えているのかについて、理論と実践の両面から学ぶ一日となりました。 技術環境の変化は、単なる効率化や自動化にとどまらず、価値創造のあり方や人材の役割そのものを問い直す契機となっています。本講義では、企業・研究・地域といった複数の視点を行き来しながら、変化の本質と、それに向き合うための考え方を整理しました。
【講義1】「社会に「信任」をつくるー標準形からの脱却とともに⽣きることを⽀える「学び」ー」
大正大学・宇都宮大学 牧野 篤氏

牧野氏の講義では、社会や技術環境が大きく変化する中で、「信任(trust)」がどのように形成され、維持されていくのかという視点から、学びのあり方について考察が行われました。
これまでの社会では、標準化された制度やモデルに適応することが重視されてきましたが、先行きが不透明な時代においては、そうした「標準形」そのものが揺らいでいることが指摘されました。
そのような状況下では、制度や仕組みへの単なる適合ではなく、人と人との関係性の中で信任を積み重ねていくことが重要になります。牧野氏は、「学び」とは知識やスキルの習得にとどまらず、他者と関わりながら自らの立ち位置を問い直し、社会の中で生きる力を育む営みであると述べました。
また、失敗や迷いを排除するのではなく、それらを含めて引き受け合う関係性こそが、変化の時代を生きる基盤となることが示されました。本講義は、技術環境の変化を人間や社会の側から捉え直す重要な視座を提供する内容となりました。
【講義2】「まちづくりとビジネスモデル」
TMES(株)村上 誠 氏

村上氏の講義では、まちづくりを持続可能な形で進めていくためのビジネスモデルについて、実務の視点から解説が行われました。
まちづくりは理想や理念だけでは継続せず、経済性や事業性とどのように結びつけるかが重要であることが強調されました。
講義では、建築・設備・エネルギーといった分野における具体的な事例をもとに、複数の関係者が関わるプロジェクトをどのように設計し、価値を生み出していくのかが紹介されました。
単一の主体が完結するのではなく、企業・行政・地域住民などが役割を分担しながら、長期的な視点で価値を共有していくことの重要性が示されました。 また、まちづくりにおけるビジネスモデルは固定的なものではなく、地域特性や社会状況の変化に応じて更新され続ける必要があることも指摘されました。本講義は、技術環境の変化を地域実装の視点から捉え、実践につなげるための示唆に富んだ内容となりました。
【グループワーク】「地域イノベーションの場のデザイン」
帝京大学地域経済学科 島 裕 教授

グループワークでは、「地域イノベーションの場のデザイン(イノベーションエコシステム)」をテーマに、地域においてイノベーションが生まれ続ける仕組みについて議論を行いました。
イノベーションは特定の個人や組織だけで生まれるものではなく、人・組織・知識・資源が相互に作用するエコシステムの中で育まれるという考え方が共有されました。
ワークでは、企業、大学、行政、市民といった多様な主体がどのように関わり合い、学びや挑戦が循環する「場」を形成できるかについて意見交換が行われました。単なる施設整備やイベント開催ではなく、継続的な対話や関係性の構築が、地域イノベーションの基盤となる点が強調されました。
また、成果を急がず、偶発性や試行錯誤を受け止める余白を持つことが、長期的な価値創出につながるという視点も示されました。本グループワークを通じて、参加者は「地域イノベーションは場づくりであり、関係性のデザインである」という理解を深めるとともに、今後の演習や実践に向けた共通認識を形成することができました。


■まとめ
今回の第6回講義では、「技術環境の変化」というテーマを軸に、技術が社会や産業、人材、地域に与える影響を多角的に学ぶ構成となりました。
講義1・講義2を通じて、技術の進化そのものではなく、それをどのような目的や価値に結びつけるかが重要であることが改めて確認されました。
また、グループワークでは、技術環境の変化を地域の文脈で捉え直し、イノベーションを生み出すための「場」や「関係性」をどのようにデザインするかについて理解を深めることができました。
個人の能力や単発の施策ではなく、学びと挑戦が循環するエコシステムの構築が、これからの地域や組織に求められることが共有されました。
本講義を通じて、参加者は技術環境の変化に受動的に対応するのではなく、主体的に関わり、活用していくための視点を得ることができました。
次回以降の演習や最終成果発表に向けた基盤となる、有意義な学びの時間となりました。
次回開催:【第7回授業】2025年1月24日(土) ライトキューブ宇都宮
テーマ:ビジネスデザイン
■ お問合せ
帝京大学宇都宮キャンパスリカレント教育プログラム
コーディネーター 小川紗理奈
Email: ogawa.sarina.cz@teikyo-u.ac.jp
Tel: 090-7907-9630