最新号内容紹介
第49巻第2号 2026年6月

綜説 Early mobilization によるICU-AWやICU-ADの予防と改善─寝かせない医療─

眞野智生

 超急性期からのリハビリテーション医療は,発症直後及び術直後から行うリハビリテーションで,安静臥位の弊害予防のみでなく,運動耐容能の向上や合併症の予防効果が示されている,集中治療室から早期離床・早期運動(Early mobilization)することで,ICU-AW やICU-AD の予防や改善が期待でき,早期のADL 回復につながると考える。一方で,過度な身体負荷は全身状態を悪化させる危険もあり,リスクを管理しながら,最良の効果を発現する訓練を選択する必要がある。本稿では,安静臥床の生理的変化による弊害とEarly mobilization による治療効果を紹介し,我々が考える「寝かせない医療」について解説する。

退職あいさつ 帝京大学で行った「自分流」精神医学的研究

功刀浩

記事・報告 <ふたこと>脳死判定に向き合うということ

畑中裕己

症例 成長発育に合わせて多段階的治療を行った小児下顎骨開放骨折の1例

田邉陽子 他

 小児における歯の破折および脱臼や軟部組織損傷を伴う骨折では,歯の早期喪失や軟部組織損傷後の瘢痕拘縮などが不正咬合の原因となり,その治療には難渋する。今回,私たちは,多数歯欠損を伴った下顎骨開放骨折に対し成長発育に合わせて長期間にわたり治療を行ったのでその概要を報告した。
 患者は7 歳,女児。交通事故にて受傷した。他院救命救急センターに搬送され,右側大脳脚脳内血腫,右側側頭葉脳挫傷,左側下顎骨開放骨折で,気管切開による気道確保が行われた。下顎骨骨折を主とした顎口腔領域の外傷の加療目的に,受傷4 日後,帝京大学医学部附属病院救命救急センターに転送となった。下唇の損傷は下顎骨に達し,その剥脱創は左側下唇から右側下顎歯肉臼歯部歯槽部まで及び,下顎の多くの歯が喪失していた。受傷10 日後に全身麻酔下に下顎骨骨折に対する観血的整復固定術,下顎部の剥脱創に対する縫合術を施行し,術後7 か月に抜釘術,下唇,下顎部の瘢痕形成術を施行した。損傷部位に存在していた永久歯胚は萌出したが,右側下顎歯は下顎前歯部の早期喪失と歯槽部歯肉の損傷後の瘢痕による影響からか近心舌側に傾斜した。成長発育に合わせて口腔内外の瘢痕拘縮の解除,瘢痕形成術,植皮術および歯列矯正を行い,良好な結果が得られた。