帝京大学総合博物館
について

学生、教員から発信される学術研究の
成果を展示しています

帝京大学総合博物館は、2015年9月に八王子キャンパスに開館いたしました。本学は、医、薬、経済、法、文、外国語、教育、理工、医療技術、福岡医療技術の10学部を擁し、各種大学院を始め、各種研究所、研究センターも設置されている総合大学です。そこでは、多くの教員や研究者、また学生が教育研究活動を行っています。本館はその過程で収集された貴重な学術資料や教育研究活動の成果を展示や出版活動、イベントなどを通じて、広く社会で公開すると同時に、他機関との連携を通して大学の社会貢献を推進することを目的としています。
我が国の「博物館法」には、博物館を「歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む。以下同じ。)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」と定義しています。したがって、本館もこの定義の下での、各種活動を行ってゆくことはもちろんですが、本館が「大学博物館」であること、また、「総合」の語句を冠していることに留意し、その名称に相応しい活動を目指したいと考えています。すなわち、本館がまず、大学教育レベルに対応した内容を保持すること、また、ある特定分野だけに偏らない総合性を保持すること、この2つをいつも念頭に置いた、高度で幅広い博物館活動を展開することをモットーとしています。そして、そのうえに立って、様々な企画展示やイベントなどを通して、本学学生の教育はもとより、一般社会や地域社会へも寄与することができればと考えています。

館長メッセージ

MESSAGE

高橋裕史館長
プロフィール

  • 帝京大学総合博物館 館長
  • 帝京大学経済学部経営学科 教授

中央大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。
西洋政治史と西洋政治思想史を学ぶ過程で、西洋中世の宗教と政治の関係に強く興味を抱き、16~17世紀のカトリック修道会の世俗的活動を、ポルトガルの植民活動の文脈から、中近世以降期の日本を舞台に研究。主にイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ラテン語で書かれたイエズス会の手稿史料を基に上記の研究課題を遂行している。
これまでに『イエズス会の世界戦略』『武器・十字架と戦国日本』『戦国日本のキリシタン布教論争』などの単著のほか、16世紀末に来日したイエズス会東インド巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの『東インド巡察記』のスペイン語原典からの翻訳などの業績がある。またNHKスペシャルの番組制作にも監修やイエズス会史料の翻訳などで携わっている。
趣味は古社寺めぐり、仏像鑑賞、文法学習、クラシック音楽、60~70年代のフレンチポップスなど。近年は戦国時代の日本に対するローマ教皇の関与の影響、中近世ヨーロッパの正当戦争理論の系譜などの研究に従事している。またラテン語の普及にも努めている。

このたび第二代館長の今村啓爾先生の後を受けて帝京大学総合博物館の第三代館長に就任した、経済学部経営学科の高橋裕史(たかはし・ひろふみ) と申します。「えっ、経済学部の先生が博物館館長なの?!」─このように思われた方々が大勢いらっしゃると思います。そうですよね。一般的には文学部の先生が博物館館長に就任されるケースが多いですし、実際に前任の今村啓爾先生も本学文学部の教授をされていました。

経済学部に所属する教員が博物館の館長。この「意外性」に戸惑われたことでしょう。しかし帝京大学総合博物館は、そうした「意外性」との出逢いを提供する「場」でもあるのです。博物館というと、何だか古めかしいモノをせっせと集めて期間限定でそれを展示する。あるいは〇〇特別展という催しを開き、普段、簡単には目にすることのできないモノを世間の皆さんに観てもらう。これが博物館という言葉を目にしたり耳にしたりした時に、私たちが抱く一般的で典型的な博物館のイメージだと思います。

もちろん博物館や美術館が生涯教育、あるいは社会教育の実践の場としての役目を担わされている以上、博物館本来の在り方をしっかりと維持して大切にして行かなければなりません。本学博物館の場合は、①博物館を利用した実践的な教育活動の推進、②学内の総合的・学際的な調査・研究活動の推進、③大学所蔵資料の集約、新規資料の収集・保管、④展示や出版活動を通じた教育・研究成果の公開、⑤社会貢献・地域連携の推進、以上の5つの活動となります。実際これまでに本学博物館は「古代多摩に生きたエミシの謎を追え」(2019年10月15日~2020年2月29日)、「理工学部のラボのなか!―コトワリとワザの探求―」(2020年10月3日~2021年5月29日)などの企画展のほか、ミニ企画展やゼミでの研究成果の展示など、大学博物館としての本来的な活動を着実にまた堅実に果たして来ています。

その一方で博物館は古めかしくて堅苦しい存在から、現在を生きる私たちや現在の社会の求めに対応する存在へと柔軟に脱皮し、常に新陳代謝を活発化させていかなければなりません。そのためには思考の動脈硬化にかからないように絶えず注意し、「博物館って、こんなことも出来るんだ!すごいところなんだ!」という驚きの声を学内関係者はもとより、来場の皆さまからも得られるような「大胆」で「斬新」な発想と、それに基づいた活動が求められます。それが「意外性」であり、その意外性から生まれてくる「可能性」です。

たとえば帝京大学総合博物館は、年2回『ミコタマ』というフリーマガジンを発行しています。2022年2月刊行の『ミコタマ』第3号は「光が紡ぐ想いを夜空に映して」という特集が組まれ、本学周辺の「夜空」や、多摩センター駅そのほか人ひとりいない深夜未明の光景が、鮮やかなカラー写真で紹介されています。このように『ミコタマ』第3号は、博物館の一般的な機関誌にはない視点と切り口=意外性から構成されています。さらにここからは、あえて人のいない未明の都市空間を絵画や音楽で表現する、という可能性も追求できます。

帝京大学総合博物館は2015年9月に、ソラティオスクエアの地下一階に開館された、歴史の新しい博物館です。規模も決して大きいとは言えません。しかしだからこそ、古いしがらみや前例などに余りとらわれずに「意外性」と「可能性」を追求できるのではないでしょうか。それには永遠に完成することなく絶えず成長と進化を目指して行かねばなりません。このことを理念に企画展や年に数回の展示替え、帝京大学での学術研究成果の展示等を通じて邁進して行きたく思います。学内の教職員の皆様をはじめ、地域の皆様のご来場はもとより、ご理解とご協力・ご教示を心からお願い申し上げます。

2022年4月吉日

設立の経緯

HISTORY

帝京大学にミュージアムを、という構想は1996年頃にはすでに形をとりつつありました(『帝京大学所蔵絵画図録2010』による)が、本格的なミュージアムプランが浮上したのは八王子キャンパスに新棟(現在のソラティオスクエア)が建設されることが決まったあと、2010年夏のことでした。その後、新棟の設計は着々と進行し、翌年には博物館の規模と位置が地下1階のほぼ現在ある通りに決定されました。

この時期まで博物館開設の業務は主として帝京大学文化財研究所が行なっていましたが、2012年10月、最初の学芸員着任を受けて、2013年4月に博物館開設準備室が正式に発足しました。この間も新棟の建設は順調に進んでいきました。

2013年12月に設置に関わる指針が承認され、いよいよ博物館作りの実務が動き始めました。そして、2014年春から内装工事および展示制作開始。2015年9月14日に帝京大学総合博物館が開館しました。

スタッフ紹介

STAFF
館長 高橋 裕史(大航海時代の日本とヨーロッパとの歴史関係の研究) 外部リンク
副館長 中山 京子(国際理解教育・文化人類学) 外部リンク
職員
八王子キャンパス学術情報グループ
堀越 峰之(学芸員 専門研究分野 博物館学) 甲田 篤郎(学芸員 専門研究分野 考古学・博物館学) 橘田 梢(学芸員 専門研究分野 美術館教育・博物館学)

画像利用・資料借用規定

MEDIA & DATA REGULATIONS

当館の所蔵作品・資料の借用や、画像の利用を希望される方は、下記へお問い合わせください。

お問い合わせ先

帝京大学総合博物館 
月曜日~土曜日 9:00~17:00
電話:042-678-3675   
メール:museum#teikyo-u.ac.jp
※メールアドレスの「#」を「@」に変えて送信してください。