「言語」から読みとく歴史世界
ミュージアムセミナー
帝京大学総合博物館は、ミュージアムセミナーとして「大学でまなぶ日本の歴史」という講座を催し、これは2022年に終了いたしました。そこで特定のテーマを設定し、それにまつわる歴史を探訪する新しいシリーズを開催することにしました。今年度のテーマは“「言語」から読みとく歴史世界”です。歴史の「語り部」として言語が果たしてきた役割には非常に大きなものがあります。また歴史を「記す」言語もギリシア語やラテン語、古い時代の中国語その他さまざまです。それら歴史を語り記して来た様々な言語からはどのような歴史が見えてくるのでしょうか。3人の講師が自らの実体験やエピソードも交えつつ、3回の講座を通して言語を通した「おもしろ歴史夜話」へ皆さんを誘います。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。
詳細情報
第1回 日本にも生き残ったラテン語-日本におけるラテン語の受容史-
講 師 高橋裕史(帝京大学総合博物館 館長/経済学部経営学科 教授)
日 時 2026年1月24日(土)10:30~12:00
ローマ帝国の公用語であったラテン語は、帝国滅亡後も教会用語、学術用語として命脈を保ち、ヨーロッパの主要な言語に様々な影響を及ぼすなど、ヨーロッパの文化の発展に果たした役割には大きなものがあります。そのラテン語はイエズス会の宣教師とともに日本にももたらされ、教会に身を置く日本人少年らによって学ばれました。戦国時代の日本に伝わったラテン語は、その後、どのような歴史の波に洗われて生き残り、現在の日本の大学で学ばれるようになったのでしょうか。戦国・鎖国下・幕末・明治の日本におけるラテン語の変遷史について、一緒に探訪してまいりましょう。
第2回 ロシア語と外来語-外来語が語るロシアの現代-
講 師 杉浦史和(帝京大学経済学部国際経済学科長)
日 時 2026年2月14日(土)10:30~12:00
ロシアがウクライナに侵攻して一年が経過した2023年2月28日、「ロシア連邦の国家語に関する」連邦法が改正され、戦時の愛国主義的傾向を背景に、ロシア語における外来語の使用を規制する方針が強化されました。まるで我が国が戦時中、野球の審判が「セーフ」の代わりに「よし」と言っていたことを思い起こさせるようです。かつて帝政ロシア時代は宮廷内でフランス語が公式に話され、ロシア語には外来語が数多く定着してきました。外来語の受容という側面から、ロシア史の今の位置を確かめてみましょう。
第3回 ミミズ文字?の解読-19世紀フランス語の手紙から読みとく世界-
講 師 鵜飼敦子(帝京大学外国語学部外国語学科 准教授)
日 時 2026年2月28日(土)10:30~12:00
美術史の観点から日仏文化交渉史を研究する中で、言語の壁にしばしば直面します。ミミズの這ったような欧文の筆記体や、日本のたおやかな仮名文字…。まだAIにも解読が難しいこれらの資料を読むことが研究者には求められます。そもそも、フランス語は日本でどのように学ばれてきたのでしょうか。明治期にお雇い外国人からフランス語を学んだ人物のノートや、19世紀末のフランスで活躍した芸術家の手紙を手がかりに、歴史を読み解くヒントをご紹介します。
各回共通
主催
帝京大学総合博物館
対象者
どなたでもご参加いただけます。(各回先着200名、事前申込制)
1回のみの受講や回をまたいでの受講も可能です。ぜひお気軽にご参加ください。
参加申込
各講座のお申込は以下の申込フォームもしくは、帝京大学総合博物館までお電話(042-678-3675)もしくはFAX(042-690-8231)にてお申込下さい。
申込フォームはこちら
会場
帝京大学八王子キャンパス ソラティオスクエア地下1階S011教室
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参加費
無料

