「カビ展」—医真菌学研究への誘い―
帝京大学総合博物館企画展 帝京大学医真菌研究センター創設35周年記念
真菌とは、広い意味のカビ(酵母やキノコを含む)をあらわす医学用語です。生物科学の分野では「菌」または「菌類」とも呼ばれます。その種類は約10万種以上にものぼり、未知のものを合わせると150万種にも及ぶと考えられています。真菌は自然界では有機物の分解者として欠かせない存在です。また、人類は真菌を利用して発酵食品を作り出したり、ペニシリンを始めとする医薬品開発にも活用してきました。真菌は人類のパートナーというべき存在です。しかし、人を病気にしてしまう「病原真菌」もいます。真菌が原因の病気は「真菌症」と呼ばれ「みずむし」や命にかかわる重い感染症などさまざまなものがあります。こうした病気に関する研究・学問領域は「医真菌学」と呼ばれています。細菌やウイルスが原因の病気と比べるとその研究は十分とは言えません。帝京大学医真菌研究センターは、真菌症を克服するべく基礎研究を中心に研究を行ってきました。
本展覧会では、私たちの身近にいる真菌の生態や、帝京大学医真菌研究センターの創設以来35年のあゆみと最新の研究活動を通して、奥深い医真菌学研究の世界を紹介します。
展示内容
カビの生物学
カビはどんな生物なのでしょうか。意外と知らないカビの「衣・食・住」を紹介します。この展覧会では、分かりやすく「真菌」を「カビ」と呼んでいます。)
カビの研究とその利用
人類はカビを研究し、その成果を発酵食品作りや医薬品開発にも利用してきました。その研究の歴史をご紹介します。
病気をおこすカビたち
カビが原因の病気は「真菌症」と呼ばれています。真菌症の症状と、その原因となるカビを詳しくご紹介します。
帝京大学医真菌研究センターの歴史
帝京大学医真菌研究センターは、1983年にカビが原因の病気の克服をするための研究と、各地から集められたカビの菌株の保存を行うために創設されました。そのあゆみをご紹介します。
医真菌学研究ラボ
医真菌研究センターでは、カビが原因の病気の治療薬である「抗真菌薬」の研究を始めとして、電子顕微鏡を用いた形態学的な研究や、分子生物学や遺伝子工学の観点から病気の原因となるカビと真菌症について研究を積み重ねてきました。近年ではそれらの研究に加えて、天然由来の成分で免疫力を高める「抗菌アロマセラピー」、宇宙ステーションでのカビを調査する「宇宙微生物学」、マウスの代わりにカイコを使って実験を行う「カイコ創薬」、国内のコアラをカビの病気から守る「コアラを菌から救えプロジェクト」など、さまざまな研究活動が行われています。基礎研究から応用研究まで、幅広い医真菌研究センターの活動をご紹介します。
イベント情報
※本イベントはすでに終了しております。
1.ミニ講演会 カビ研究の原点
日時:2018年7月14日(土)10:30~11:45
2.最新研究講座 カビと闘う研究者たち!
日時:2018年8月4日(土)、9月15日(土)、9月22日(土)、9月29日(土)
各日10:30~11:45
3.ワークショップ カビを観察する!
日時:2018年7月21日(土)10:30~12:00
4.科学工作教室 顕微鏡を作っちゃおう!
日時:2018年7月28日(土)10:30~15:00→8月4日(土)13:00~16:00に延期いたします。
*開催場所はいずれも博物館セミナー室
*1~2は各回定員40名、3は定員10名、4は開催時間内随時受付
*参加費:無料
イベントの詳細チラシはこちら
詳細情報
主催
帝京大学総合博物館
対象者
どなたでもご覧いただけます
備考
・大学構内には駐車場がございません。公共交通機関をご利用ください。
・高幡不動駅・聖蹟桜ヶ丘駅・多摩センター駅から「帝京大学構内」行きのバスが便利です。(所要時間15~20分)
・車いすでご来館予定の方は事前にご連絡ください。