未完の展示会
~あるあるカルタでつながる世界~
この展示会は、帝京大学文学部社会学科ソーシャルビジネス実習と多摩八王子を拠点に障がいがある方たちの支援事業を行っている NPO 法人多摩草むらの会(以下、多摩草むらの会)とのコラボレーションにより、実現したものです。
皆さんは、なにかしら「失敗」を経験したことがありますか?
私たちは今回、多摩草むらの会とのコラボプロジェクトを実施するにあたり、利用者の方々(多摩草むらの会では「メンバーさん」と呼ばれています)と初めてお会いした時、精神障害への先入観から「閉塞的」なイメージを持っていました。
ところが、実際に交流するとそのイメージは覆され、むしろ私たちよりいきいきとしていて自分という芯を持っている方ばかりでした。そのメンバーさんの姿を見て、私たちの見ている日常は変わらないということを「あるあるカルタ」にして伝えようと考えました。
しかし時には、カルタの制作が上手く進まず学生チームが追い込まれてしまったこともありました。私たち学生チームは、この実習授業で初めて知り合った者同士です。メンバー間の意思疎通がうまくいかず、プロジェクトが停止していた時もありました。また、この授業はビジネス実習なので、企業様方との連絡方法やビジネスマナー等も学びますが、初めての経験ばかりだったため、苦戦したこともありました。
一方で、そのような状況に置かれるたびに、多摩草むらの会の理念にもある「力の弱い野兎が遠くのニンジン畑まで出かけて行ってニンジンを手に入れるためには、途中で出会う外敵から身を隠せる”草むら”が必要」(引用:多摩草むらの会HP)であるように、人間にも安心・休息する場所が必要であると感じてきました。人は誰しも完璧ではないですし、挫折や失敗をします。いわゆる「未完成」な状態なのです。
この展示会は「未完」がテーマであるため、会期中に新たな展示が加わる予定です。
最初の展示では、メンバーさんたちが作ってくださった「あるあるカルタ」をお披露目します。さらに、メンバーさんたちが手掛けたアート作品も展示します。まずは私たちとコラボしてくださった方々の魅力を知っていただけると幸いです。その後、私たち学生とメンバーさんたちによる「あるあるカルタ」をお披露目する予定です。どのタイミングで、どのような作品が展示されるのか、楽しみにしてください。
今回、多摩草むらの会の方々をはじめ、沢山の方々からの協力を得て開催することが出来ました。多くの方々の協力無しにはこの展示は成り立たないので、感謝の気持ちでいっぱいです。
ぜひ、この展示を見に来てくださった皆さん自身も、このプロジェクトを進める一員として「未完成」な私たちが作り上げた、この「未完」の展示会を楽しんでいただけたら幸いです。
詳細情報
主催
李永淑(帝京大学文学部社会学科 准教授)担当クラス「ソーシャルビジネス実習」履修者
協力
NPO法人多摩草むらの会
対象者
どなたでもご覧いただけます。(事前のお申込は必要ありません)
会場
帝京大学総合博物館ミュージアムプラザ
(帝京大学八王子キャンパス ソラティオスクエア地下1階)
学内・館内マップ等ご利用案内はこちら
会期
2024年9月28日(土)~11月9日(土)
開館時間
9:00~17:00(最終入館は16:30)
閉館日
日曜日・祝日
臨時開館日
10月27日(日):青舎祭(大学祭)実施日(一般来館可)
青舎祭(大学祭)詳細はこちら
臨時休館日
10月5日(土)
備考
・大学構内には駐車場がございません。公共交通機関をご利用ください。
・高幡不動駅・聖蹟桜ヶ丘駅・多摩センター駅から「帝京大学構内」行きのバスが便利です。(所要時間15~20分)
・車いすでご来館予定の方は事前にご連絡ください。